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子どもの指しゃぶり・舌癖が歯並びに与える影響

2025年1月31日

子どもの指しゃぶりや舌の癖(舌癖)は、成長過程で自然に見られる行動ですが、長期間続くと歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼすことがあります。特に4~5歳以降も続く場合は、歯並びや顎の発育に影響する可能性が高いため、早めの対策が重要です。この記事では、指しゃぶり・舌癖の影響と改善方法について解説します。


1. 指しゃぶり・舌癖とは?

 

指しゃぶり

指しゃぶりは赤ちゃんの本能的な行動で、生後6か月~2歳頃までは自然な習慣です。しかし、4歳以降も続くと、歯や顎に影響を与える可能性が高くなります。

 

舌癖(舌の悪い癖)

舌の位置や動きのクセが習慣化したもので、特に「低位舌」「舌突出癖」「口呼吸」が問題になることが多いです。低位舌は舌が常に下にある状態、舌突出癖は食べるときや話すときに舌を前に押し出すクセを指します。口呼吸が続くと舌が上あごに正しく当たらず、歯並びに影響を与えることがあります。


2. 指しゃぶり・舌癖が歯並びに与える影響

 

指しゃぶりの影響

指をしゃぶることで、歯や顎に持続的な圧力が加わり、以下のような問題が起こることがあります。

  • 開咬(かいこう):前歯が噛み合わず、隙間ができる。
  • 上顎前突(じょうがくぜんとつ):いわゆる「出っ歯」になりやすい。
  • 口呼吸の助長:口を閉じにくくなり、口呼吸が習慣化する。

 

舌癖の影響

舌が正しい位置にないと歯や顎に異常な力が加わり、以下のような問題が発生することがあります。

  • 開咬:舌を前に出すクセがあると、前歯が噛み合わなくなる。
  • 発音の問題:「サ行」「タ行」などが発音しづらくなることがある。
  • 顎の成長の異常:舌が上あごにつかないと、顎が狭くなり、歯並びが乱れやすくなる。

3. 指しゃぶり・舌癖の改善方法

 

指しゃぶりのやめさせ方

指しゃぶりは無理にやめさせるとストレスを感じるため、自然に卒業できるようにサポートすることが重要です。

  1. 安心感を与える 指しゃぶりは不安やストレスが原因で続くこともあるため、スキンシップを増やしたり、寝る前に抱っこをすることで安心感を与えます。
  2. 「指しゃぶりしなくても大丈夫」と優しく声をかける いきなり「やめなさい」と叱るのではなく、少しずつ減らすことを意識させましょう。
  3. 物理的対策 手にバンソウコウを貼る、指サックをつける、指しゃぶり防止の苦味成分入りの塗布剤を使うなどの方法で、指しゃぶりをしにくくします。
  4. ご褒美作戦 「○日間できたらご褒美」というルールを作り、モチベーションを高めます。

舌癖の改善トレーニング

 

舌の正しい使い方を身につけるために、トレーニングを行うことが効果的です。

  1. 正しい舌の位置を意識する 舌は本来、上あごに軽く触れているのが正しい位置です。口を閉じた状態で舌を上あごにくっつける練習をします。
  2. あいうべ体操
    • 「あー」と口を大きく開ける。
    • 「いー」と口角を横に引く。
    • 「うー」と口を突き出す。
    • 「べー」と舌を思い切り出す。

    これを1日30回繰り返すことで、舌の筋力が向上します。

  3. 口を閉じる練習 口を閉じる習慣をつけ、口呼吸を防ぐために、寝ているときに口にテープを貼る「口テープ」などを活用します。
  4. 硬いものを食べる よく噛むことで舌の筋力を鍛え、正しい舌の動きを習得できます。煎餅やスルメ、ガムをしっかり噛む習慣をつけるとよいでしょう。

4. 歯科医院でのサポート

 

定期的な歯科検診

指しゃぶりや舌癖による歯並びの変化をチェックし、必要に応じて適切な指導を受けることが重要です。

 

口腔筋機能療法(MFT)

歯科医院では、舌の正しい使い方を身につけるための専門的なトレーニング(MFT)が行われることがあります。これは、舌や唇、口周りの筋肉を強化し、正常な発音や噛み合わせを促す治療法です。

 

矯正治療

5~7歳で歯並びに影響が出始めた場合、矯正治療が必要になることもあります。指しゃぶりや舌癖が原因で歯並びが悪くなった場合、マウスピース矯正やワイヤー矯正が選択肢となります。


5. まとめ

 

指しゃぶりや舌癖は、4~5歳以降も続くと歯並びに悪影響を及ぼす可能性があるため、早めの対策が重要です。

指しゃぶりの対策

  • 子どものストレスを減らし、安心感を与える。
  • バンソウコウや指サックを使って、無意識の指しゃぶりを防ぐ。
  • できたら褒める・ご褒美作戦を活用する。

 

舌癖の対策

  • あいうべ体操などのトレーニングで舌の位置を改善する。
  • 口を閉じる練習を行い、口呼吸を防ぐ。
  • 硬いものをよく噛む習慣をつける。
  • 歯科医院でのMFT(口腔筋機能療法)を検討する。

子どもの歯並びを守るためには、正しい口腔習慣を身につけることが大切です。気になる癖がある場合は、早めに歯科医院で相談し、適切なアドバイスを受けましょう。

子どもの虫歯予防に最適な食事習慣

2025年1月31日

子どもの虫歯予防には、正しい食習慣の確立がとても重要です。特に、食べるタイミングや食品の選び方を工夫することで、虫歯のリスクを大幅に減らすことができます。本記事では、虫歯を防ぐ食べ方とおすすめの食品、避けるべき習慣について詳しく解説します。


1. 子どもの虫歯の原因

 

1.1 虫歯ができる仕組み

虫歯は、「糖分」+「虫歯菌」+「時間」が重なることで発生します。

  1. 食事やおやつに含まれる糖分を虫歯菌(ミュータンス菌)が分解。
  2. 酸が発生し、歯のエナメル質を溶かす(脱灰)。
  3. 時間が経つと穴が開き、虫歯が進行する。

 

ポイント:

  • 食事の回数が多いと、口の中が酸性の時間が長くなり、虫歯リスクが上がる。
  • 糖分の多い食品や飲み物が長時間口に残ると、虫歯菌の活動が活発になる。

2. 虫歯予防のための食事習慣

 

2.1 食事のリズムを整える

  • 「ダラダラ食べ」を防ぐ
    • 食事とおやつの時間を決め、食べたら歯を休ませる時間を作ることが重要。
    • 口の中が中性に戻る時間を確保することで、虫歯リスクが下がる。
    • 食事の間隔は2~3時間空けるのが理想。
  • 寝る前の飲食を避ける
    • 唾液の分泌が減る就寝中は、虫歯菌が繁殖しやすいため、寝る前の甘いものやジュースは厳禁

2.2 おやつの選び方

  • 避けるべきおやつ
    • 砂糖が多いもの(チョコレート、キャラメル、キャンディー)
    • 歯にくっつきやすいもの(グミ、クッキー、パン類)
    • 甘いジュースや炭酸飲料(スポーツドリンク、果汁100%ジュースも要注意)

 

  • おすすめのおやつ
    • 歯を強くする食品
      • チーズ(カルシウム・リンが豊富)
      • ヨーグルト(プロバイオティクス効果で口内環境を整える)
    • 糖分が少なく噛む力を育てる食品
      • 煎餅(無糖)、ナッツ類(子どもが小さい場合は誤飲に注意)
      • するめ、小魚
    • 自然の甘みで満足できるもの
      • 果物(ただし乾燥果物は糖分が濃縮されているので注意)

2.3 砂糖の摂取をコントロール

 

  • 砂糖の量を減らす工夫
    • 飲み物は水かお茶を基本にする。
    • 甘味を抑えた手作りおやつを活用する(例:果物ヨーグルト、蒸し芋)。
    • おやつは決めた時間に食べる習慣をつける。

 

  • キシリトールを活用
    • キシリトールガムやタブレットを活用すると、唾液の分泌を促し、虫歯菌の活動を抑える

3. 虫歯予防におすすめの食材

チーズ・ヨーグルト カルシウムが豊富で歯を強くする。唾液分泌を促進。
小魚・しらす カルシウム・ビタミンDが豊富で、歯と骨の成長をサポート。
野菜(にんじん、大根、きゅうり) よく噛むことで唾液の分泌を促し、口の中を中和。
ナッツ類 ミネラルが豊富で歯を強化。歯垢が付きにくい。
キシリトールガム 虫歯菌の活動を抑える効果がある。
水・麦茶 砂糖を含まず、口内の自浄作用を高める。

4. 食後のケアと歯磨き習慣

 

4.1 食後にできる簡単な予防策

  • 食後に水やお茶を飲む
    • 口の中を洗い流し、酸性環境を中和する。
  • ガムを噛む
    • 唾液の分泌を促し、虫歯菌の働きを抑制。
  • 野菜スティックを噛む
    • にんじん・きゅうりなどを噛むことで、歯垢を自然に除去。

4.2 正しい歯磨き習慣

 

  • 食後30分以内に歯磨きをする
    • 食事後は酸性環境になっているため、時間を置いてから磨くのが理想。
  • フッ素入り歯磨き粉を使う
    • フッ素が歯の再石灰化を促し、虫歯を防ぐ。
  • 仕上げ磨きをする
    • 小学校低学年までは、親が寝る前に仕上げ磨きをすることが重要
    • 奥歯や歯の裏側、歯と歯の間をしっかり磨く。

5. よくある質問(Q&A)

 

Q1. 子どもが甘いものを欲しがる場合、どうすればいい?

A. 完全に禁止せず、食べるタイミングと量を決めましょう。例えば、おやつの時間にフルーツやチーズを取り入れ、甘いお菓子は週に1回にするなど、ルールを作ると効果的です。

 

Q2. 「だらだら食べ」を防ぐ方法は?

A. 食べる時間を決めることがポイント。

  • 食事の時間を一定にする。
  • おやつを1回15分以内で終えるよう意識する。

 

Q3. フルーツも虫歯の原因になる?

A. フルーツは自然の糖分を含みますが、砂糖とは異なり繊維質が多く、歯垢を落とす働きもあります。ただし、ドライフルーツや100%ジュースは糖分が濃縮されているため、摂取量に注意しましょう。


6. まとめ

 

虫歯予防には、「食べるもの」「食べ方」「ケアの仕方」の3つが重要です。

  • 間食は決まった時間にし、ダラダラ食べを避ける。
  • おやつは、糖分の少ないチーズやナッツ、野菜スティックがおすすめ。
  • 食後は水を飲み、歯磨きの習慣をつける。

子どもの歯を守るために、家庭でできる習慣を取り入れ、楽しく予防しましょう!

妊娠中の歯科ケアと赤ちゃんへの影響

2025年1月30日

妊娠中は、ホルモンバランスの変化や生活習慣の影響により、口腔内環境が大きく変化します。そのため、妊娠期の歯科ケアを適切に行うことが、母親の健康維持だけでなく、赤ちゃんの健康にも重要です。本記事では、妊娠中の歯のトラブルとその影響、適切なケア方法について詳しく解説します。


1. 妊娠中に起こりやすい口腔内のトラブル

 

1.1 妊娠性歯肉炎

  • 原因
    • 妊娠中はホルモンの影響で歯茎が炎症を起こしやすくなります。
    • プラーク(歯垢)が溜まりやすくなり、歯茎が腫れたり出血しやすくなります。
  • 症状
    • 歯茎の腫れ・赤み
    • 歯磨き時の出血
    • 口臭の悪化

 

1.2 虫歯のリスク増加

  • 原因
    • つわりの影響で歯磨きが十分にできないことが増える。
    • 食事回数が増え、口の中が酸性になりやすい。
    • 唾液の分泌量が減り、虫歯菌が増殖しやすい。
  • 症状
    • 歯がしみる、痛む
    • 黒ずみや穴ができる

 

1.3 口臭の悪化

  • 原因
    • ホルモンバランスの変化で唾液の分泌が減少。
    • つわりで十分に歯磨きができない。
  • 症状
    • 口の乾燥感
    • 朝起きたときの口臭の悪化

 

1.4 妊娠性エプーリス(歯茎の腫瘍)

  • 原因
    • 妊娠中のホルモン変化によって歯茎に良性の腫瘍ができることがある。
  • 症状
    • 歯茎に赤い腫れができるが、出産後には自然に消えることが多い。

2. 妊娠中の歯のトラブルが赤ちゃんに与える影響

 

2.1 早産や低体重児出産のリスク

  • 歯周病が進行すると、早産や低体重児出産のリスクが高まる。
  • 炎症によるサイトカイン(炎症性物質)が血流に入り、子宮収縮を引き起こす可能性がある。
  • 研究では、歯周病のある妊婦は早産のリスクが約2倍になると報告されている。

 

2.2 母親の虫歯菌が赤ちゃんに感染

  • 母親の虫歯菌(ミュータンス菌)は唾液を介して赤ちゃんに感染しやすい。
  • 特に生後6か月~1歳半頃(乳歯が生え始める時期)に感染しやすいため、妊娠中に虫歯の治療をしておくことが大切。

 

2.3 妊娠糖尿病との関連

  • 妊娠糖尿病の人は歯周病リスクが高くなる。
  • 逆に歯周病があると血糖値が上がりやすく、妊娠糖尿病が悪化する可能性がある。

3. 妊娠中の歯科ケアのポイント

 

3.1 妊娠中の歯磨きの工夫

  • つわりがある場合
    • 歯磨き粉のミントの刺激が強い場合は、味の薄いものに変更。
    • 小さめの歯ブラシを使い、奥歯は無理に磨かず、前歯だけでも磨く。
    • 体調が悪いときは水やマウスウォッシュで軽くすすぐだけでもOK

 

  • 歯周病・虫歯予防
    • フロスや歯間ブラシを使用し、歯と歯の間の汚れも除去。
    • フッ素入りの歯磨き粉を使用する。

3.2 妊娠中の食生活の工夫

 

  • 糖分の摂取を控える
    • 妊娠中は甘いものが欲しくなりがちだが、砂糖の摂取量を減らすことが重要。
    • キシリトールガムを活用すると虫歯予防に効果的。

 

  • カルシウムを意識的に摂る
    • 歯や骨の健康を守るために、牛乳・小魚・チーズ・ヨーグルトなどのカルシウムを摂取。

3.3 妊娠中の歯科検診のタイミング

 

妊娠中の歯科治療は、安定期(妊娠4~7か月)が最適!

  • 妊娠初期(~3か月)
    • つわりがあるため、治療は応急処置のみが基本。
    • 強い痛みがある場合は歯科医と相談。
  • 妊娠中期(4~7か月)【治療に最適】
    • 安定期に入るため、通常の歯科治療が可能。
    • 虫歯や歯周病の治療、クリーニングを積極的に受ける。
  • 妊娠後期(8か月~)
    • お腹が大きくなるため、治療は慎重に行う。
    • 応急処置が中心。

3.4 妊娠中の歯科治療での注意点

 

  1. レントゲン撮影は基本的に避けるが、安全な場合もある
    • 必要がある場合は防護エプロンを着用し、安全に撮影可能。
  2. 麻酔は胎児に影響しにくい
    • 局所麻酔は胎盤をほぼ通過しないため、妊娠中でも使用可能。
  3. 抜歯や大きな治療は産後に延期することも可能
    • 緊急性がない場合は出産後に行うことも考慮。

4. 産後の口腔ケア

 

  • 出産後も虫歯菌の感染を防ぐため、母親の口腔ケアを継続。
  • 赤ちゃんとスプーンや箸を共有しない(虫歯菌がうつるリスクを減らす)。
  • 母親が定期的に歯科検診を受けることで、赤ちゃんの健康にもつながる。

5. まとめ

 

妊娠中は歯茎の炎症や虫歯のリスクが高まるため、日常の口腔ケアを徹底し、定期的な歯科検診を受けることが大切です。歯周病が進行すると早産や低体重児のリスクも高まるため、妊娠中期に歯科受診をすることをおすすめします。

また、母親の口腔環境は赤ちゃんの将来の虫歯リスクにも影響するため、妊娠中から適切なケアを行い、赤ちゃんの健康な歯を守りましょう!

糖尿病と歯周病の双方向の関係

2025年1月30日

糖尿病と歯周病は密接に関連しており、’’互いに影響を与え合う「双方向の関係」’’があることが明らかになっています。糖尿病が歯周病を悪化させ、逆に歯周病の治療を行うことで糖尿病の血糖コントロールが改善することがわかっています。本記事では、糖尿病と歯周病の関係、影響、および対策について詳しく解説します。


1. 糖尿病と歯周病の関係とは?

 

糖尿病は血糖値が慢性的に高くなる疾患であり、全身の免疫機能や血管、神経に影響を及ぼします。一方、歯周病は歯を支える歯茎や骨が炎症によって破壊される病気で、進行すると歯を失う原因となります。

これら2つの病気は、’’相互に悪影響を与える「双方向の関係」’’にあります。

  • 糖尿病があると歯周病になりやすく、進行しやすい。
  • 歯周病があると糖尿病の血糖コントロールが悪化し、合併症リスクが高まる。

2. 糖尿病が歯周病を悪化させるメカニズム

 

糖尿病がある人は、健康な人と比べて歯周病のリスクが2~3倍高いとされています。

 

2.1 免疫機能の低下

  • 高血糖状態では免疫機能が低下し、歯周病菌に対する防御力が弱まる。
  • 感染が広がりやすく、歯周病が進行しやすくなる。

 

2.2 炎症の促進

  • 糖尿病の患者では体内で炎症性物質(サイトカイン)が増加し、歯茎の炎症が悪化。
  • 炎症が持続することで、歯を支える組織や骨が破壊されやすくなる。

 

2.3 唾液の減少

  • 糖尿病により唾液の分泌が低下し、**口腔内が乾燥(ドライマウス)**する。
  • 唾液には抗菌作用があるため、減少すると歯周病菌が増殖しやすくなる。

 

2.4 血流の悪化

  • 高血糖によって血管が傷つき、歯茎への血流が低下。
  • 歯茎の修復能力が低下し、歯周病の治癒が遅れる。

3. 歯周病が糖尿病を悪化させるメカニズム

 

一方、歯周病の炎症が糖尿病を悪化させることもわかっています。

 

3.1 インスリン抵抗性の増加

  • 歯周病による炎症で作られるサイトカイン(特にTNF-α)が、インスリンの働きを妨げる
  • その結果、血糖値が上昇し、糖尿病のコントロールが難しくなる。

 

3.2 血糖コントロールの悪化

  • 慢性的な歯周病があると、血糖値を正常に保つことが困難になる。
  • 研究では、歯周病のある人は糖尿病の進行が早いことが示されている。

 

3.3 炎症が全身に広がる

  • 歯周病が進行すると、炎症が全身に波及し、糖尿病以外の合併症リスクも高まる(心血管疾患、腎障害など)。

4. 歯周病の治療が糖尿病の改善につながる

 

近年の研究では、歯周病治療を行うことで血糖値(HbA1c)が0.4%~0.6%低下することが報告されています。これは、糖尿病治療薬1種類分に匹敵する改善効果です。

 

4.1 歯周病治療による効果

  • 炎症が軽減されることで、インスリンの働きが向上
  • 血糖値のコントロールが改善し、糖尿病の進行が遅くなる
  • 糖尿病の合併症(心血管疾患・腎疾患)のリスク低減

5. 糖尿病と歯周病の予防・対策

 

5.1 口腔ケアの徹底

  • 正しい歯磨き(1日2~3回、フッ素入り歯磨き粉を使用)
  • デンタルフロス・歯間ブラシの活用(歯周病菌が多く存在する歯間の清掃)
  • マウスウォッシュ(抗菌作用のあるもの)を併用

 

5.2 歯科検診の定期受診

  • 3~6か月に1回の定期検診を受ける。
  • 歯石除去や歯周病治療を定期的に行うことで、炎症を抑える。

 

5.3 生活習慣の改善

  • 食生活の見直し(糖質の過剰摂取を避け、野菜やタンパク質をバランスよく摂取)
  • 適度な運動(血糖値の安定と免疫力向上)
  • 禁煙(喫煙は歯周病のリスクを3~6倍に高める)

 

5.4 血糖コントロールの強化

  • HbA1c(ヘモグロビンA1c)を定期的にチェック
  • 医師と歯科医の連携が重要。

6. まとめ

 

糖尿病と歯周病は密接な関係にあり、どちらか一方を放置するともう一方の病気を悪化させる可能性があります。しかし、歯周病の適切な治療を行うことで、血糖値の改善につながることが科学的に証明されています。

糖尿病の方は、口腔ケアを徹底し、定期的な歯科検診を受けることで、全身の健康を維持しましょう。早期対策が、歯と全身の健康を守るカギとなります!

ドライマウス(口腔乾燥症)の原因と治療法

2025年1月29日

1. ドライマウスとは?

 

ドライマウス(口腔乾燥症)とは、唾液の分泌が減少し、口腔内が乾燥する状態のことを指します。軽度であれば違和感程度ですが、重症化すると食事や会話が困難になり、虫歯や歯周病、口臭の原因にもなります。


2. ドライマウスの主な原因

 

2.1 加齢による唾液分泌の低下

  • 加齢に伴い唾液腺の機能が低下し、唾液の分泌量が減少します。
  • 高齢者に多いが、中年層でも発症することがあります。

 

2.2 生活習慣

  • 水分不足
    • 体の水分が不足すると唾液の分泌量も減ります。
  • 口呼吸
    • アレルギー性鼻炎や鼻づまり、習慣的な口呼吸が原因。
  • ストレスや緊張
    • 自律神経の乱れにより唾液の分泌が抑制される。

 

2.3 薬の副作用

  • 抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、高血圧の薬などが原因で唾液分泌が減ることがあります。
  • 200種類以上の薬がドライマウスを引き起こす可能性があります。

 

2.4 病気による影響

  • シェーグレン症候群
    • 自己免疫疾患の一種で、唾液腺が攻撃され唾液の分泌が減少。
  • 糖尿病
    • 高血糖が原因で口腔内の乾燥を引き起こす。
  • 脳卒中・神経疾患
    • 神経のダメージにより唾液のコントロールが難しくなる。

 

2.5 喫煙・飲酒

  • タバコの成分が唾液腺の機能を低下させる。
  • アルコールは脱水を引き起こし、口腔の乾燥を助長する。

3. ドライマウスの症状

 

3.1 初期症状

  • 口の中がネバネバする
  • 水を頻繁に飲みたくなる
  • 口臭が気になる

 

3.2 進行した場合

  • 口内炎や舌のヒリヒリ感
  • 食べ物の味を感じにくくなる
  • 飲み込みにくくなる(嚥下障害)
  • 虫歯や歯周病のリスク増加

4. ドライマウスの診断方法

 

4.1 唾液分泌量の測定

  • ガムテスト
    • ガムを噛んで5分間に出る唾液量を測定。(10ml以上が正常)
  • サクソンテスト
    • ガーゼを5分間噛んで出る唾液量を測定。(2g以上が正常)

 

4.2 口腔内の診察

  • 歯科医院で粘膜の乾燥状態や舌の状態をチェック。

5. ドライマウスの治療法

 

5.1 生活習慣の改善

(1) 水分補給

  • こまめに水を飲む(カフェインを含まない飲料が良い)。
  • アルコールやカフェイン飲料は控える。

(2) 口呼吸の改善

  • 鼻呼吸を意識する
    • 鼻炎がある場合は耳鼻科を受診。
  • マスクの活用
    • 口の乾燥を防ぐため、就寝時のマスク着用も有効。

(3) 食事の工夫

  • よく噛む食品(繊維質の多い野菜やガム)を摂ることで唾液分泌を促進。
  • 酸味のある食品(レモン、梅干し)が唾液の分泌を刺激。

5.2 唾液の分泌を促進

 

(1) 唾液腺マッサージ

  • 耳下腺(ほほの前方)
    • 指で優しく円を描くようにマッサージ。
  • 顎下腺(顎の下)
    • 軽く押すようにマッサージ。
  • 舌下腺(舌の付け根付近)
    • 軽く舌を動かして刺激を与える。

(2) 咀嚼を増やす

  • キシリトールガムを噛むと、唾液分泌を促す効果がある。

(3) 唾液分泌促進薬の使用

  • ピロカルピンなどの薬が処方されることがある。(シェーグレン症候群の患者向け)

5.3 口腔の保湿ケア

 

(1) 口腔保湿ジェル・スプレーの活用

  • 市販のドライマウス用ジェルやスプレーを使用し、口の中を潤す。

(2) 加湿器の使用

  • 室内の乾燥を防ぐため、特に冬場は加湿器を活用。

(3) 専用マウスウォッシュの使用

  • アルコールフリーの洗口液を使用し、口腔内の乾燥を防ぐ。

5.4 ドライマウス専門治療

 

  • 歯科医院での指導
    • 口腔内の乾燥に対する専門的なアドバイスや治療を受ける。
  • スチーム療法
    • 口腔粘膜を直接保湿する治療が行われる場合もある。

6. ドライマウスの予防法

 

  1. 毎日の口腔ケアを徹底
    • 歯磨き、デンタルフロスを適切に使用する。
  2. 定期的に歯科検診を受ける
    • 口腔乾燥のチェックをしてもらう。
  3. 食生活の改善
    • 唾液分泌を促す食品を取り入れる。
  4. ストレス管理を行う
    • 自律神経のバランスを整えるため、リラックスする時間を持つ。

7. まとめ

 

ドライマウスは、生活習慣、薬の副作用、病気などが原因で発症します。初期段階では日常生活に大きな影響はないものの、放置すると虫歯や歯周病、口臭、誤嚥性肺炎のリスクが高まるため、早めの対策が重要です。

こまめな水分補給、鼻呼吸の意識、唾液腺マッサージ、バランスの取れた食事を実践し、症状が続く場合は歯科医院で適切なケアを受けましょう。

口腔がんの早期発見と予防

2025年1月29日

口腔がんの早期発見と予防

 

口腔がんは、口の中や舌、歯茎、頬の粘膜などに発生するがんの一種です。 早期発見と適切な予防を行うことで、治療の成功率を高め、口腔機能を守ることができます。 口腔がんのリスク要因、症状、診断方法、予防策について詳しく解説します。


1. 口腔がんとは?

 

1.1 口腔がんの種類

  • 舌がん(最も発生率が高い)
  • 歯肉がん(歯茎にできるがん)
  • 口底がん(舌の下にできるがん)
  • 頬粘膜がん(頬の内側に発生)
  • 口蓋がん(上顎の粘膜にできるがん)

 

1.2 口腔がんの特徴

  • 進行すると食事や会話が困難になる。
  • 早期に発見すれば、治療の成功率が高く、口腔機能を維持できる。
  • 日本では比較的発生率が低いが、近年増加傾向にある。

2. 口腔がんの主な原因

 

2.1 生活習慣の影響

  • 喫煙
    • たばこの中の有害物質が口腔粘膜を刺激し、発がんリスクを高める。
  • 過度の飲酒
    • アルコールが口腔粘膜にダメージを与え、発がんリスクを増加させる。

 

2.2 慢性的な刺激

  • 合わない入れ歯や詰め物
    • 粘膜への長期的な刺激ががんの発生を促す可能性がある。
  • 噛み癖や頬・舌の慢性的な傷
    • 頬や舌を頻繁に噛むことで粘膜がダメージを受け、発がんリスクが上がる。

 

2.3 ヒトパピローマウイルス(HPV)

  • 口腔内での感染が一部の口腔がんと関連している。

 

2.4 栄養不足

  • 野菜や果物の摂取不足が、がんの発生リスクを高めることが指摘されている。

3. 口腔がんの症状

 

3.1 初期症状(自覚しにくい)

  • 口の中に治りにくい口内炎がある。
  • 白い斑点(白板症)赤い斑点(紅板症)ができる。
  • 舌や粘膜のしこりや腫れ
  • 違和感や軽い痛みが続く。

 

3.2 進行した場合

  • 出血しやすくなる
  • 食事や会話が困難になる
  • 顎や首のリンパ節が腫れる

 

3.3 注意すべきポイント

  • 2週間以上治らない口内炎やしこりがある場合は、早めに歯科や口腔外科を受診。

4. 口腔がんの診断方法

 

4.1 視診・触診

  • 歯科医が口腔内を確認し、異常がないかチェック。

 

4.2 組織生検

  • 疑わしい組織を採取し、顕微鏡でがん細胞の有無を確認。

 

4.3 画像診断

  • CT・MRI:がんの進行度や広がりを確認。
  • PET検査:がん細胞の有無を全身的にチェック。

 

4.4 唾液診断(研究段階)

  • 口腔がんの早期診断として、唾液中のバイオマーカーを分析する方法が研究されている。

5. 口腔がんの予防策

 

5.1 生活習慣の改善

  • 禁煙
    • 口腔がんリスクを減らす最も重要な方法。
  • 適度な飲酒
    • アルコールを控えることで粘膜へのダメージを軽減。
  • バランスの良い食生活
    • 野菜や果物を多く摂取し、抗酸化作用のある食品を意識する。

 

5.2 口腔内の健康管理

  • 定期的な歯科検診(年に1~2回)
    • 早期の異常を発見し、適切なケアを受ける。
  • 適切な入れ歯や詰め物の調整
    • 粘膜への刺激を防ぐため、歯科医と相談して調整する。

 

5.3 口腔ケアの徹底

  • 正しいブラッシング
    • 毎日の歯磨きで口腔内の清潔を保つ。
  • デンタルフロスやマウスウォッシュの活用
    • 口腔内の細菌を減らし、粘膜の健康を維持。

 

5.4 自己チェックを習慣化

  • 月に1回、鏡で口の中をチェック
    • 治らない口内炎、しこり、白板症・紅板症がないか確認。

6. 口腔がんと他の病気との関係

 

6.1 歯周病との関連

  • 慢性的な炎症が口腔がんのリスクを高める可能性があるため、歯周病の治療が重要。

 

6.2 HPV感染と口腔がん

  • ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が一部の口腔がんと関連。
  • HPVワクチンの接種が予防策となる可能性がある。

7. 口腔がん治療の選択肢

 

  • 手術:腫瘍の切除。
  • 放射線治療:がん細胞の破壊。
  • 化学療法:抗がん剤を使用。

8. まとめ

 

口腔がんは、早期発見・早期治療が非常に重要ながんの一つです。口内炎やしこりが2週間以上治らない場合は、すぐに歯科医院や口腔外科を受診することが大切です。日常の口腔ケアや生活習慣の見直しを行い、口腔がんのリスクを減らしましょう。定期的な歯科検診と自己チェックを習慣化することで、早期発見につなげることができます。

オーラルフレイルとその予防策

2025年1月28日

オーラルフレイルとその予防策

 

オーラルフレイルとは、口腔機能の軽度な衰えを指し、進行すると食べる力や話す力が低下し、全身の健康や生活の質(QOL)に悪影響を及ぼします。高齢化社会において重要な課題の一つであり、早期の予防と対応が大切です。


1. オーラルフレイルとは?

 

1.1 定義

  • オーラル(口腔):食べる、話す、飲み込むなどの機能を含む。
  • フレイル(虚弱):加齢に伴う身体の虚弱な状態を指し、進行すると要介護状態に至るリスクが高まる。

1.2 オーラルフレイルの段階

  1. 潜在的な変化:噛む力の低下や唾液の減少を自覚しない段階。
  2. 初期症状:食べ物が飲み込みにくい、口が乾きやすいなどの軽度な問題。
  3. 顕在化:咀嚼(そしゃく)や会話が困難になり、栄養状態や社会的活動が低下。

2. オーラルフレイルの主な症状と影響

 

2.1 主な症状

  • 食べ物を噛みにくい、飲み込みにくい。
  • 発音が不明瞭になる。
  • 唾液の分泌が減り、口が乾く。
  • 口腔内の筋力低下。

2.2 全身への影響

  • 栄養不足:噛みやすい柔らかい食品に偏り、栄養バランスが崩れる。
  • 筋力の低下:栄養不足が筋肉の衰えを加速。
  • 社会的孤立:話す力が低下し、人とのコミュニケーションが減少。
  • 誤嚥性肺炎:飲み込みの機能が低下し、食物や唾液が誤って気道に入る。

3. オーラルフレイルの原因

 

  1. 加齢:口腔周囲の筋肉や歯、歯周組織の自然な老化。
  2. 歯の喪失:歯が少なくなると噛む力が低下。
  3. 口腔ケア不足:虫歯や歯周病が進行すると咀嚼や飲み込みが困難に。
  4. 生活習慣:偏った食生活や喫煙、運動不足が影響。
  5. 全身疾患:糖尿病や神経疾患が口腔機能の低下を引き起こす。

4. オーラルフレイルの予防策

 

4.1 口腔ケアを徹底する

  • 日常的なケア
    • 正しいブラッシング方法で歯垢を除去。
    • デンタルフロスや歯間ブラシで歯と歯の間を清掃。
  • 定期的な歯科検診
    • 虫歯や歯周病の早期発見と治療。
    • 歯石除去やプロフェッショナルクリーニングを受ける。

4.2 バランスの取れた食事

  • 硬さを工夫した食材
    • 食べやすい硬さに調理して、噛む回数を増やす。
  • 栄養のバランス
    • タンパク質(筋肉維持)、カルシウム(歯と骨の健康)、ビタミンC(歯茎の健康)を含む食品を積極的に摂取。

4.3 口腔機能を高めるトレーニング

  • 噛む力を鍛える
    • 硬い食品を意識的に噛む。
    • キシリトール入りガムを使用して咀嚼筋を鍛える。
  • 発声練習
    • 「パ・タ・カ・ラ」など、口や舌を使った発音練習を行う。
  • 飲み込みの訓練
    • 水やとろみをつけた飲み物を使って嚥下訓練を実施。

4.4 唾液分泌の促進

  • 唾液腺マッサージ
    • 耳下腺、顎下腺、舌下腺を優しくマッサージする。
  • 水分補給
    • こまめに水を飲むことで口腔内を潤す。
  • 酸味のある食品
    • レモンや梅干しを摂取すると唾液分泌が促される。

4.5 全身の健康を維持

  • 適度な運動
    • 筋力トレーニングやウォーキングで全身の健康を保つ。
  • 禁煙
    • 喫煙は口腔乾燥症や歯周病を悪化させる。

5. オーラルフレイルの早期発見のために

 

5.1 自己チェック

以下のようなサインがある場合はオーラルフレイルが疑われます:

  • 食事中にむせることが増えた。
  • 固いものを避けるようになった。
  • 口の中が乾燥しやすくなった。
  • 会話がしづらい、声が小さくなった。

5.2 専門的なチェック

  • 歯科医や言語聴覚士に相談し、詳しい診断やケアの指導を受ける。

6. オーラルフレイルを防ぐ意識づけ

 

  • 地域や家族での支援
    • 地域の口腔ケア教室や高齢者の交流会に参加する。
  • 意識を高める
    • 「いつまでもおいしく食べるために」という目標を設定することで、口腔ケアの意識が向上。

まとめ

 

オーラルフレイルは放置すると、口腔機能だけでなく全身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、早期に発見し、適切な予防策を講じることで進行を抑えることができます。日々の口腔ケアや定期的な歯科検診を習慣化し、健康な歯と口腔機能を維持して、豊かな生活を送りましょう。

歯の寿命を延ばすための定期検診の重要性

2025年1月28日

歯の寿命を延ばすための定期検診の重要性

 

歯は一度失うと再生しないため、長く健康な歯を保つためには、日常的なケアに加えて、歯科の定期検診が欠かせません。定期検診を受けることで、虫歯や歯周病を未然に防ぎ、歯を失うリスクを大幅に減らすことができます。


1. 歯の寿命を縮める原因

 

1.1 虫歯

  • 初期段階で自覚症状がないことが多く、放置すると歯の神経に達して痛みや歯の欠損につながります。

1.2 歯周病

  • 歯を支える骨や歯茎が徐々に破壊される病気。進行すると歯が抜け落ちる原因になります。
  • 成人の歯の喪失原因の第1位。

1.3 噛み合わせの不良

  • 不適切な噛み合わせが歯に過剰な負担をかけ、割れや欠けの原因になります。

1.4 加齢による歯の摩耗

  • 歯は長年の使用で摩耗し、削れたり亀裂が入ったりすることがあります。

1.5 不適切な生活習慣

  • 喫煙、糖分の多い飲食、ストレスなどが歯や口腔環境に悪影響を与えます。

2. 定期検診が重要な理由

 

2.1 初期段階での問題発見

  • 虫歯や歯周病の早期発見
    初期段階で見つけることで、簡単な治療で済む場合が多い。
  • 小さなトラブルを防ぐ
    歯のヒビ、詰め物の劣化、噛み合わせの問題などを早めに発見できます。

2.2 専門的なクリーニング

  • 歯石除去
    歯ブラシでは取れない歯石を除去し、歯周病を予防します。
  • 着色汚れの除去
    食事や飲み物による歯の着色を落とし、審美性を向上。

2.3 歯の健康をサポート

  • フッ素塗布
    歯を強化し、虫歯のリスクを軽減。
  • 噛み合わせの調整
    過剰な負担を減らし、歯の寿命を延ばします。

2.4 口腔全体の健康維持

  • 舌や歯茎、口腔内全体の状態を確認し、異常がないかをチェックします。

3. 定期検診の具体的な内容

 

3.1 問診と視診

  • 日常のケア状況や気になる症状をヒアリング。
  • 歯や歯茎、舌、口腔内全体を目視でチェック。

3.2 歯周ポケットの測定

  • 歯周ポケットの深さを測り、歯周病の進行度を評価。

3.3 X線検査

  • 目視ではわからない部分(歯の内部や顎骨)の状態を確認。

3.4 プロフェッショナルクリーニング

  • 歯垢や歯石を除去し、口腔内を清潔に保つ。

3.5 アドバイスと指導

  • 正しい歯磨き方法、フロスや歯間ブラシの使い方を指導。
  • 食生活や生活習慣の改善提案。

4. 定期検診の頻度

 

 

4.1 一般的な頻度

  • 3~6か月に1回が目安。
  • 口腔内の状態や生活習慣に応じて、歯科医師と相談して決定。

4.2 特定の条件下ではより頻繁に

  • 歯周病のリスクが高い人(喫煙者や糖尿病患者など)。
  • インプラントやブリッジ、義歯を使用している人。

5. 定期検診を受けるメリット

 

5.1 治療の負担が軽減

  • 初期の段階で治療を行うことで、費用や時間、痛みが少なくて済みます。

5.2 歯の寿命が延びる

  • 定期的なメンテナンスにより、歯や歯茎が健康に保たれ、寿命が延びます。

5.3 全身の健康維持

  • 歯周病は全身疾患(糖尿病、心疾患、認知症など)と関連があるため、口腔ケアが全身の健康に寄与します。

6. 定期検診を習慣化するためのコツ

 

  1. スケジュールを立てる
    • 次回の検診を予約時に決めることで、受診を忘れにくくなります。
  2. 家族や友人と一緒に検診を受ける
    • 家族で歯科検診を習慣化すると、お互いに励まし合えます。
  3. 検診の重要性を意識する
    • 定期検診を「予防のための投資」と捉え、健康維持のための習慣にする。

7. よくある質問

 

Q1. 痛みがない場合でも定期検診は必要ですか?

  • 痛みがなくても、虫歯や歯周病が進行している場合があります。早期発見・予防のために定期検診は必要です。

Q2. 保険は適用されますか?

  • 基本的な検診やクリーニングには保険が適用される場合が多いですが、フッ素塗布や審美目的の治療は保険外になることがあります。

まとめ

 

歯の寿命を延ばすためには、日々のセルフケアだけでなく、定期検診を通じた専門的なケアが不可欠です。3~6か月に1回のペースで検診を受けることで、歯や歯茎の健康を保ち、トラブルの早期発見・予防が可能になります。健康な歯を維持するため、ぜひ定期検診を生活習慣の一部として取り入れましょう!

歯とスポーツ:スポーツマウスガードの必要性

2025年1月27日

歯とスポーツ:スポーツマウスガードの必要性

 

スポーツ中に起こる衝撃や外傷から歯や顎を保護するため、スポーツマウスガードの使用が推奨されています。特に接触型スポーツ(ラグビー、ボクシング、アイスホッケーなど)や激しい身体運動を伴うスポーツでは、口腔や顎へのダメージを防ぐために重要な役割を果たします。


1. スポーツ中の口腔外傷のリスク

 

1.1 主な外傷の種類

  • 歯の破損や脱落
    衝撃により歯が折れたり、抜け落ちたりする。
  • 顎の骨折
    下顎骨に強い衝撃が加わると骨折のリスクがある。
  • 唇や舌、頬の損傷
    歯と粘膜の間に挟まれて切れることがある。
  • 顎関節の損傷
    強い衝撃が関節に伝わることで、痛みや機能障害が生じる。

1.2 高リスクスポーツ

  • 接触型スポーツ
    ラグビー、アメリカンフットボール、アイスホッケー、ボクシング、レスリング。
  • 激しい運動を伴うスポーツ
    バスケットボール、サッカー、野球、スキー、スケート。

2. スポーツマウスガードの役割

 

2.1 衝撃吸収

  • 強い衝撃を和らげ、歯や顎へのダメージを最小限に抑えます。

2.2 歯や顎を保護

  • 歯の破損や脱落、顎の骨折、顎関節への負担を軽減します。

2.3 軟組織の損傷予防

  • 唇や舌、頬の粘膜が傷つくのを防ぎます。

2.4 脳震盪のリスク軽減

  • 顎に伝わる衝撃を抑えることで、頭部への衝撃を間接的に軽減する可能性があります。

3. スポーツマウスガードの種類

 

3.1 ストックタイプ(既製品)

  • 特徴
    店頭で購入可能な既製品。
  • メリット
    安価で手軽。
  • デメリット
    フィット感が悪く、衝撃吸収効果が低い。

3.2 ボイル&バイトタイプ

  • 特徴
    熱湯で軟化させた後に噛んで形を整えるタイプ。
  • メリット
    比較的安価で、市販の中ではフィット感が良い。
  • デメリット
    個々の口腔形状に完全には適合しない。

3.3 カスタムメイドタイプ

  • 特徴
    歯科医院で患者の歯型を採取して作るオーダーメイドのマウスガード。
  • メリット
    • フィット感が非常に良い。
    • 高い衝撃吸収効果。
    • スポーツ中も快適で、呼吸や会話がしやすい。
  • デメリット
    費用が比較的高い(1万円~数万円)。

4. スポーツマウスガードの選び方

 

4.1 フィット感

  • 口腔内で安定し、動いてもずれないものが理想的。

4.2 衝撃吸収能力

  • 適切な厚みと柔軟性を持ち、衝撃を分散できる素材。

4.3 快適性

  • 息苦しさや違和感が少なく、長時間装着してもストレスを感じないもの。

4.4 競技規則への適合

  • 一部の競技ではマウスガードの着用が義務付けられているため、規定に合ったものを選ぶ。

5. スポーツマウスガードのケア方法

 

5.1 使用後の洗浄

  • 毎回使用後は水で洗い、細菌の繁殖を防ぐ。
  • 定期的に専用の洗浄剤で清潔に保つ。

5.2 保管

  • 直射日光を避け、通気性の良い専用ケースに保管。

5.3 定期的なチェック

  • 変形や劣化が見られた場合は早めに交換する。

6. 子どもへの使用のすすめ

 

  • 成長期の子どもは歯や顎が柔らかいため、衝撃によるダメージを受けやすいです。
  • 定期的な調整が必要:子どもの歯や顎の成長に合わせて、サイズや形状を見直します。

7. 費用と導入のタイミング

 

7.1 費用の目安

  • ストックタイプ:数百円~数千円。
  • ボイル&バイトタイプ:数千円~1万円程度。
  • カスタムメイドタイプ:1万円~3万円程度。

7.2 導入のタイミング

  • 接触の多いスポーツを始めるタイミングでの購入が推奨されます。

8. スポーツマウスガードの普及の現状と課題

 

8.1 普及の現状

  • いびつなマウスガードや低品質な既製品が使用されていることも多い。
  • 着用率は一部の競技(ラグビーやボクシングなど)で高いが、他の競技ではまだ低い。

8.2 課題

  • 費用や使用感の問題が普及の障壁になっている。
  • 教育や啓発活動を通じて、マウスガードの重要性を広める必要がある。

まとめ

 

スポーツマウスガードは、歯や顎、口腔内の保護に加え、スポーツ中の安全性を大幅に向上させる重要なツールです。特にカスタムメイドのマウスガードは、効果的で快適に使用できるため、多くのアスリートに推奨されます。スポーツを行う際は、早めに導入し、適切なケアを続けることで、口腔の健康を守りながら安心して競技に取り組めます。

歯と睡眠の関係:いびきと歯ぎしりの意外な関連性

2025年1月27日

歯と睡眠の関係:いびきと歯ぎしりの意外な関連性

 

歯ぎしり(ブラキシズム)といびきは、どちらも睡眠中に起こる現象であり、一見無関係に思えるかもしれませんが、実は深い関連性があります。これらはどちらも口腔・顎・呼吸機能と関わりがあり、場合によっては互いに影響を及ぼし合います。


1. 歯ぎしりとは?

 

  • 特徴
    歯を強く擦り合わせたり噛み締めたりする無意識の動作で、多くは睡眠中に起こります。
  • 原因
    • ストレスや不安:精神的な緊張が歯ぎしりを引き起こす。
    • 噛み合わせの問題:歯列不正や噛み合わせの異常が誘因となる場合があります。
    • 睡眠の質の低下:睡眠時無呼吸症候群(SAS)などが関連することがあります。

2. いびきとは?

 

  • 特徴
    睡眠中、気道が狭くなることで発生する振動音です。軽度のものから深刻なものまで、程度は様々です。
  • 原因
    • 気道の閉塞:肥満や鼻づまり、扁桃肥大、舌が後方に落ち込むなど。
    • 筋肉の弛緩:睡眠中に喉や舌の筋肉が緩み、気道が狭くなる。
    • 睡眠時無呼吸症候群(SAS):いびきとともに呼吸が一時的に止まる状態。

3. 歯ぎしりといびきの関連性

 

3.1 気道の閉塞が歯ぎしりを誘発

  • メカニズム
    睡眠中に気道が狭くなると、脳が呼吸を確保しようと身体を覚醒させます。この覚醒反応の一環として、歯ぎしりが発生する場合があります。
  • 睡眠時無呼吸症候群(SAS)との関係
    SAS患者の多くは歯ぎしりを伴っており、いびきがある人は歯ぎしりが重なるリスクが高いです。

3.2 筋肉の緊張

  • いびきをかくことで顎や喉の筋肉が過剰に緊張し、歯ぎしりを引き起こすことがあります。

4. 放置すると起こるリスク

 

4.1 歯へのダメージ

  • 歯ぎしりによる摩耗や破損が進む。
  • 歯の知覚過敏や咬耗症(噛み合わせ面がすり減る状態)になる可能性が高まります。

4.2 睡眠の質の低下

  • いびきや歯ぎしりがあると、深い睡眠が妨げられ、日中の疲労感や集中力の低下を引き起こします。

4.3 全身への影響

  • 睡眠の質が悪化すると、免疫力の低下や生活習慣病(糖尿病、高血圧)のリスクが増加します。

5. 対策と治療法

 

5.1 歯ぎしりの対策

 

(1) ナイトガードの使用

  • 歯科医が作成するマウスピースで、歯を保護し、歯ぎしりの力を分散させます。

(2) ボツリヌス治療

  • 咬筋(噛む筋肉)にボトックスを注射し、筋肉の過剰な緊張を抑制します。

(3) ストレス管理

  • リラクゼーション法やストレス解消のための趣味・運動を取り入れます。

5.2 いびきの対策

 

(1) 生活習慣の改善

  • 体重管理
    肥満が原因の場合、体重を減らすことで気道が広がります。
  • 睡眠姿勢の調整
    横向きで寝ることで、いびきが軽減する場合があります。

(2) マウスピースの使用

  • 口腔内装置(OA)を装着して、下顎や舌を前方に出し、気道を確保します。

(3) CPAP治療

  • 睡眠時無呼吸症候群の治療として、鼻に装着する装置で気道を広げる方法。

5.3 両方に効果的な治療

 

  • 睡眠時無呼吸症候群を原因とする場合、根本的な治療を行うことで、いびきや歯ぎしりが同時に改善される可能性があります。

6. 歯科医院と専門医の協力が重要

 

  • 歯科医の役割
    • ナイトガードや口腔内装置の作成。
    • 歯ぎしりによる歯の損傷を診断・治療。
  • 睡眠専門医の役割
    • 睡眠時無呼吸症候群の診断と治療。
    • ポリソムノグラフィー(睡眠検査)で問題を特定。

7. 日常でできる予防策

 

  • 寝る前のリラックス
    ストレスを軽減するため、寝る前に深呼吸やストレッチを行う。
  • カフェインとアルコールを控える
    就寝前にこれらを摂取すると、筋肉が弛緩し、いびきが悪化します。
  • 十分な睡眠を確保
    睡眠不足が歯ぎしりやいびきを引き起こすことがあります。

まとめ

 

歯ぎしりといびきは、睡眠中の無意識な行動ですが、根本的な原因がつながっている場合があります。どちらも放置すると歯や体に悪影響を及ぼすため、早めの対策が重要です。歯科医や睡眠専門医と相談しながら、適切な治療を受け、健康的な睡眠環境を整えましょう。

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